Emisa さん ~ パブリックセクター 技術統括本部 ソリューションアーキテクト( SA )( 2022 年にアソシエイト SA として入社。現在プロモーションし SA として活躍中。)
AWS に入社する前は IT コンサルティングの会社に 4 年間勤め、主に Web アプリケーションの開発や設計、要件定義などを経験しました。JavaScript や Java などを使ったフロントエンドやバックエンドの開発がメインでしたが、アプリケーションの保守運用フェーズでは、システムの監視やセキュリティ対策なども行っていました。また、アプリケーション開発の他にも、お客様側の PMO として IT インフラ基盤更改のプロジェクトに参画し、複数の開発ベンダーのプログラムマネジメントなども経験しました。
自分はもともと文系出身だったため、学生時代はプログラミングやシステム開発の知見はほとんどなかったのですが、前職では複数のプロジェクトに参画する中で、提案から始まり、要件定義、設計、開発、保守運用と、実際にシステムが構築されユーザーに使われるまでのプロセスを学ぶことができました。
クラウドと言う観点では、私自身はアプリケーション回りの経験がメインでインフラにはあまり触れてこなかったので、AWS のサービスに関する知識はほとんどありませんでした。
前の会社では自分の仕事のやり方や立ち振る舞いも分かってきた頃で居心地はとても良かったのですが、社会人 4 年目が終わる頃から「今の会社の外で自分がどれくらい通用するのかを試してみたい」という気持ちが強くなりました。
もともとクラウドを勉強したいという思いや、外資系に挑戦したいという思いから AWS には興味があったのですが、転職を考え始めたころはAWSは自分にとってはハードルが高いイメージがあり、自分が SA として活躍するビジョンは見えていませんでした。
そのような中で、AWS のリクルーターと会話する機会があり、アソシエイト SA (現 SA )という私のようなキャリアの浅い人でもチャレンジできるポジションがあると知り、応募してみることにしました。
SA として活動するにあたっては、お客様がシステムを構築・運用する際の課題や重視するポイント(可用性、セキュリティ、パフォーマンスなど)を正しく理解することが重要だと考えています。
AWS には 200 を超える様々なサービスがあり、いわゆる仮想サーバーと呼ばれるものから、ネットワーク、データ分析や機械学習など、サービスの種類もとても幅広く、かつ日々アップデートされています。これらのサービスをどのように組み合わせてどのように利用するとお客様の課題を解決できるのか、お客様のパートナーとして共に考えてご提案するのが SA の仕事です。
そのためには、セキュリティやネットワーク、データベースなどのシステムを構築する上で重要な技術要素に関する知識があることが前提となります。わかりやすくいうと、IPA の応用情報技術者試験で問われるような内容を自分の頭で理解できているレベル、と言うこともできるかと思います。例えば、「名前解決の仕組みは?」「一般的な Web アプリケーションのセキュリティ対策で考えられることは?」などについて、自分の言葉で説明できるくらいに理解できていることが大切だと思います。
加えて、ご自身のこれまでの業務経験などをもとに、自ら設計や開発ができるレベルの強みと言える領域があることも重要です。SA の組織では、自分の得意なテクニカルスキルを活かして、担当テリトリーを超えて幅広くお客様をサポートする仕組みがあり、強みとなるスキルがあることでSAとしての活躍の幅が広がります。
このようなベースがあれば、AWSのサービスに関する知識は入社後に研修やOJTを通じてキャッチアップできる環境がそろっているため、必ずしも入社前にクラウドの経験が必須ということはありません。
実際にお客様の案件をご支援する際は、全て Account SA(※ 1 )が一人で対応しなければいけないというわけではなく、より深いディスカッションが必要なときは、サービスに特化したスキルを保有しているSpecialist SA(※ 2 )が一緒にお客様を支援してくれるので、Account SA としてはお客様の課題や要件を正しく理解することが求められます。
※1 Account SA とは、実際に AWS を利用するお客様を支援するチームに所属するソリューションアーキテクトのことを指します。
※2 Specialist SAとは、ネットワークやデータベース、AI/MLやAnalytics などの各技術領域の特化したスキルを持っているSAのことを指します。
とはいえ、アソシエイト SA として入社してくる方はシステム運用のすべてを経験している方は少ないと思いますので、お客様の課題がすぐには理解できない場合もあるかと思います。担当する業種によっても求められるスキルも変わってきますので、特にアソシエイト SA は実際にはお客様と接する中で学ぶことがとても多いと思います。そのためにも、まずはシステムが動く仕組みを理解しておくことが重要だと思います。
比較的キャリアの早いタイミングで AWS へ転職したため、前職ではアプリケーション回りという、ごく限られた部分の経験がメインでした。そのため入社してからは、ネットワークや機械学習など、今まであまり触れてこなかった様々な領域について SA としてお客様をご支援することとなり、正直に言うとキャッチアップすることの方が圧倒的に多く、毎回のお客様との打ち合わせが勉強の場です。
そんな中でも、前職でアプリケーションの設計や開発をしていたことで、ユーザーや開発者目線でよくある課題に対して AWS がどう解決できるかを訴求できたり、前職でセキュリティ対策をした際の経験から、お客様が抱えているセキュリティの課題や潜在的なリスクを深堀できたり、前職で経験したことは SA としての活動にところどころで生きていると思います。
たとえば自分のやっている領域がインフラ領域ではなかったとしても、システムを開発においては様々なフェーズで、可用性やパフォーマンス、セキュリティなどの要素を考慮する必要があるので、アーキテクチャレビューの際には今の業務で経験されていることが役に立つときが必ずあると思います。
前職ではネットワークやサーバーといったインフラ部分の設計や構築に携わる機会が少なかったため、SA として案件を対応するようになって、インフラの構築には欠かせないこれらの領域にも実案件でもっと触れておけばよかったと感じることがあります。
所属する組織によっては自分で案件を自由に選べないことが多いとは思いますが、案件以外でも学びの機会を自分から見つけて積極的に行動することが重要だと思います。上司や周囲にやってみたいことをアピールしたり、勉強会を自ら開催したり、特に入社年数が浅くてチャレンジしやすいときは自ら学びの場を作っていくことが大事だと思います。勉強方法は一通りではないかと思いますが、自分にとって効果的だった勉強方法をご紹介しますと、応用情報技術者試験の他にも
IPA
が提供するネットワークスペシャリストなどの高度情報処理技術者試験の勉強をするのも良いと思います。座学ベースにはなりますが、基本的な知識が理解できていればお客様と会話する中で共通言語ができるので、お客様の課題ややりたいことを正しく理解することに繋がるかと思います。また、特に学んでおくとよいテクニカルスキルとして、セキュリティはシステムのどのレイヤーにおいても重要です。特に
AWS
ではクラウドセキュリティを最重要事項と位置付けていて、お客様のシステムやデータを守るための様々なサービスや取り組みを提供しています。まずは今ご自身が携わっている案件の中で、セキュリティの観点で課題がないか、改善できることはないかを考えてみるのもいいかもしれません。