Nanami.K さん ~ ソリューションアーキテクト
前職では外資系 SIer で、お客様の IT 改革の課題に対して、クラウドシステムの提案や実案件での技術的支援を、リードアーキテクトとして行なってきました。前職では、セキュリティ事業に注力している会社で、どんなお客様、システムにおいても重要な技術領域である事と、常に最新の情報を入手しないと対応できないチャレンジングな領域であるという事に魅力を感じて入社しました。入社後は、RedHat 系エンジニアとして IPS / IDS、スパム対策サーバーといった、様々なセキュリティシステムの構築や、認証基盤、メールシステムなどの構築も担当し、インフラ技術を培いました。また、当初はオンプレミスばかりでしたが、時代と共に仮想基盤、クラウドの活用と、システムの在り方が変わっていきました。それと同時にお客様から業務改革( DX )のご要望を多く頂くようになり、業務分析による IT 化計画や、クラウドサービスを活用した効率化支援システム、データ共有基盤の開発も担当しました。クラウドの活用が進んでくると、改めてセキュリティの重要性が再認識されるようになり、システムとしての適用だけでなく、組織のセキュリティポリシーの策定の支援も取り組みました。自身で技術的な障壁をつくらず、その時々の良いものをお客様へご提案できるように、柔軟に技術を取り入れることを意識していました。
前職の時も現在の立場と同様ではありますが、お客様の課題に対しては、最新の技術情報を元に、適切なソリューションをご提案する必要がありました。IT の技術、特にクラウドに関しては、日々更新され続けていますので、今現在自分自身が持っている情報はすぐに過去のものになってしまいます。また、自分自身やチームメンバーが業務で全く関わったことのない技術が、お客様にとっての最適解であったりすることもあります。情報を得る時に私が重要だと感じている事は、確度と広さ、そしてトレンドです。前職では、確実な情報を得られる手段としては、クラウドプロバイダーや SaaS 事業者などの公式ドキュメントでした。一般公開されているブログで情報を得ることもありましたが、必ず公式ドキュメントで最新情報を確認したり、必要に応じて問い合わせたりと、正確な情報であることを確認していました。それに加えて、視点の広さを得るために、クラウドプロバイダーやプロダクトベンダーのセミナーやトレーニング等で社外の情報を得ていました。以前の業務で実施したことがあるからというような、実績ベースだけでのご提案とならないように注意をしていました。トレンドに関しては、ニュース購読を行い、IT だけでなく企業の考え方などの記事も読んだりしていました。また、社内の海外チームと日々交流することができていましたので、その話の中で、海外の技術トレンドやお客様動向などを共有することでキャッチアップしていました。
情報を収集するインプットは非常に重要なのですが、インプットをそのままお客様にお渡しすれば課題の解決策になるのかというと、そうではないと考えています。インプットした情報は、お客様の課題に対してご提供できるアイディアの素材で、いつでも適切な場面で組み合わせながらお出しできるように、自分自身のものとしておく必要があると考えています。そのために、アウトプットによる定着も意識していました。まず疑問がある状態の情報や、実感のない情報は、いざという時にお客様へお出しすることができません。そういった情報に関しては、実機で検証するという手段で対応していました。実際に動作させて確かめることは、地道で時間もかかる手段です。しかしその反面、動作の過程を実体験として得ることができますので、自分自身で理解を深めることが可能です。さらにお客様へお伝えする際に、文章にないちょっとした注意事項なども併せて具体的にお伝えすることができるようになりますので、現在でも実機検証はなるべく行うようにしています。その他、社内メンバーに対しての育成や技術トランスファーも意識的に行っていました。人に教える場合は、自分の中で情報が整理されていないと、うまく伝える事ができません。人に伝える過程を経て、結果として、自分自身で知識の整理を行うことができていました。これが良い知識の定着化につながったと考えています。
AWS への入社を考えたのは、SI の立場でなくクラウドプロバイダーに身を置くことで、最新情報にいち早く触れながら、お客様視点でソリューション構想をご提供できると考えたことがきっかけです。また、様々な目的に応じたアーキテクチャを実現できる、AWS のサービス数の多さも他にはない魅力でした。ただ入社を検討し始めた頃は、そのサービス数の多さから、常に広い技術幅が求められる ソリューションアーキテクト(SA)という立場としての不安もありました。前職では数個の案件のフォローを経験していましたが SA としては、お客様組織にある多くの技術的な課題に、同時進行で対応していく必要があります。そういった懸念に対しては、面接前のカジュアル面談で、専門分野ごとのチームによる定期的な勉強会が実施されていたり、部門内外でナレッジシェアや相談会が行われていたり等、キャッチアップ機会が多くあるとお聞きできたため、それほど不安に感じずに採用応募することができました。入社後には、想像していた以上のキャッチアップ機会の多さに驚きました。予定表がほぼ埋まるくらい様々な社内勉強会が設定されていて、時間が合わなければレコーディングも用意されている場合もありますので、好きな時に好きな情報を得て、学べる機会を得ることができています。他にも、Blackbelt、AWS アーキテクチャーセンター 、builders.flash などのコンテンツは、お客様のケースに合った情報を探すために参照しています。もう一つ、ありがたいのが人です。AWS には特定技術に特化したスペシャリストや事業開発チームなど、様々な得意分野を持った方がいらっしゃいます。普段の活動で迷った時、技術課題の解決に議論が必要な時、特定業務についての深い議論が必要な時などに、支援をしていただくことができます。いつも様々な方に支えていただいています。
お客様の現在のビジネス状況を把握して、戦略的なビジネス展開やデータ活用に繋げることのできる、AI / ML 分野にフォーカスしていきたいと考えています。お客様環境で AI / ML のご利用も増えてきている中で、サービスの革新も継続的になされていますが、AWS の TFC という領域別のコミュニティーに身を置くことで、活動をしながら知識を深めていき、最新の情報をタイムリーにご提供できるようにしていきたいと考えています。また、AI/ML の分野だけでも多くのサービスが存在しますが、各サービスの最新情報、社内向けハンズオン、AI / MLの Skill Builder など学べる環境も充実しています。それらを活用して知識を広げ、深めていきたいと考えています。また、技術領域と同時に、SA では担当業界の知識も得ていく必要がありますので、業界関連セミナー情報や他のお客様事例の情報についても、キャッチアップしていこうと考えています。