Yukako さん ~ インダストリー ソリューションアーキテクト
インダストリー SA は、製造業、小売業、メディア産業など、お客様の産業領域に特有のユースケースに対して、技術的なご支援をする役割になります。特定のお客様や特定の技術にとらわれるのではなく、お客様のビジネスに価値を与える AWS のソリューションを提案できるのが魅力だと感じています。
私は Amazon から AWS に異動してきているのですが、Amazon にいた経験を活かして、現在は流通小売消費財業界のお客様を中心に担当をしています。大手小売業のお客様にクラウドを活用したサプライチェーンの提案をしたり、カメラやセンサーを用いた無人店舗を設計したり、商社様の社内ベンチャーでの新規ビジネスの立ち上げに関わるシステムを支援したりしています。
また、グローバルチームの一員として業界に共通のソリューションを開発することもあります。具体的には、ガイダンスという規範的なアーキテクチャ図やサンプルコード、技術コンテンツを業界別、ユースケース別にまとめたものがあるのですが、アメリカやヨーロッパの拠点に世界中の SA が集まって、合宿形式で開発をしたりします。その他にも、業界別やエグゼクティブ向けのセミナーで登壇したり、その内容は幅広いです。
Amazon から AWS の異動はよくあることで、社内でも自身のキャリア開発や強みを活かした働き方をするという観点からも推奨されています。Amazon グループでは、自分のキャリアは自分で設計するという考え方が浸透しています。
私は Amazon では今よりもビジネスに近い立場で BD Manager というポジションについていました。業務内容としては、Amazon Alexa を使った新たなユースケースやビジネスを、パートナー企業様や非営利団体様と開発していくというもので、「スキル」という拡張機能の仕組みを使ったり、逆にお客様の要望を開発チームにフィードバックしたりしていました。私の担当したスキルが、世界でいちばん使われていたこともあったんですよ。視覚障がいをお持ちの開発者様をご支援し、音声や言語によるインタラクションが持つ奥深い可能性を感じられたこともよい想い出です。
私自身はもともとは R & D のバックグラウンドが強く、Amazon で Alexa のローンチ時に事業開発を経験したのですが、Alexa の拡張機能を作っていく中で AWS のサービスに惚れ込んでしまって、また技術の世界に戻ってクラウド技術を広めたいと思い、異動を希望しました。
Amazon にしろ AWS にしろ業務は非常に多岐にわたるので、全く違う経歴の人たちが集まっているのが刺激的です。AWS はクラウドサービスを提供しているので、IT ベンダーから入社される方が多く、事業会社出身者が中心の Amazon とは違うところですね。私自身は IT ベンダーを経験したことがなかったので、その道のスペシャリストの技術者とか、凄腕の営業担当などの働き方に、学ぶことが多かったです。
それにも関わらず、Amazon のカルチャーが浸透していて、共通の価値観、言語でコミュニケーションできるというのは驚きです。例えば、本来の役割分担としては営業職がお客様に寄り添い、技術職が技術を追究するように思われがちですが、技術職が「 Customer Obsession 」を追究して、導入が難しい技術よりもお客様にとってベストの技術を提案したり、逆に営業職が「 Think Big 」に基づいてお客様に目先の利益よりも大きなビジョンを提案したり、建設的な議論がなされています。コアとなる価値観が共有できているからこそ、多様なスキルセットで自律的に動けるのだと感じました。
そういった意味では、海外で働く同僚とも特にストレスなく働くことができますし、社内にはインターナショナルなアフィニティグループもあります。私自身も、glamazon Japan という活動にも携わっていました。
LGBTQ 当事者とそのアライによる社内のアフィニティグループです。Amazon や AWS の幅広い組織から集まり、社員向けに職場における性的少数者の理解を促進するワークショップを行ったり、親睦を目的とした交流会などをしています。
社外に向けては、コロナ禍の前には東京レインボープライドに参加し、パレードを行ったりもしていました。軽トラを借りて自分たちでデコレーションをしたり楽しかったですね。当日、仕事でご支援していたお客様や、ふだん仕事でご一緒しないようなリーダーも参加してくれたりして、日頃は声に出さなくても、行動で支援していただける人がいるのもアマゾンらしいなと感動しました。
社内ではわりと性的少数者が職場にいるという状況は当たり前の感覚なのですが、その雰囲気を社外にも知っていただくという意味ではとてもよい体験をしたと思っています。
逆説的ではありますが、むしろ私が日々働いている上で自分が特別だと意識することがない、というのがいちばんの実感になりますね。それは社内だけではなく、日々、お客様に対する提案活動にも言えることで、お客様に価値ある提案をするために、性別、国籍、経験に関わらず、ベストのチームでパーティを組んで、ミーティングに臨むのが当たり前になっています。ロールプレイングゲームで、戦士とか魔術師とかいろんな属性を持ったキャラクターが集まってパーティを組むみたいな感覚で、楽しいですよ。ただのスローガンではなく実行しているのが、Amazon らしいですね。