Yumiko さん ~ シニア ソリューションアーキテクト
学生の時は電気工学を専攻していました。主には回路や制御系について学んでいましたが、就職活動の時は IT 業界一択、その中でもクラウドビジネスに携わりたいと強く思っていたので、一社目は日系の IT インフラの会社に就職しました。そこで 3 年間プリセールスや企画を経験し、次のキャリアとして AWS を選択しました。
当時 AWS を選んだのはいくつか理由があります。まずは AWS が提供するサービスそのものに魅力を感じていたことです。単純な IaaS だけではなく、数十種類 (今はもう 200 を越えています!)のマネージドサービスを組み合わせることによりあらゆるニーズを実現できる、その証として AWS のビジネスがどんどんスケールしていっていたので、自分もそんな環境で成長したいなと思っていました。もう一つの理由は リーダーシッププリンシプル( OLP )でした。私自身が仕事をする上で大事にしていた価値観ととても近しかったので、初めて OLP を聞いた時は親近感が湧きました。最後に、これは AWS に限らずですが、グローバルな仕事ができる点です。私は学生時代を海外で過ごしたため、自身の英語力を活かしたいという思いと、より広いキャリアを形成できるのではないかという期待を込めて AWS に応募しました。
SA 職を選んだ理由はシンプルに、カスタマーフェイシングな技術職に就きたいと思っていたからです。SA は幅広い業種のお客様と様々なビジネスフェーズで関わることができるので、仕事も固定化されず継続的に学びを得られるのではないか、と思っていましたがその通りでした。結構飽きっぽい性格なんですが(笑)、4 年経った今でも日々勉強になることばかりです。
私が所属しているのはインターネットメディアソリューショングループという組織で、インターネットビジネスを運営されているお客様を支援しています。その中でも、私はビジネス規模が最も大きい数社を担当しており、グループの関連会社を含めると実際は数十社が対象になります。担当するお客様がより AWS を活用してビジネスを成功させられるよう、技術面であらゆる支援を提供することが私のミッションです。公開事例になっている範囲で担当案件を紹介すると、PayPay や楽天のペイメントプラットフォームが挙げられます。
このようなユースケースに対し、最適なアーキテクチャを提案したり、お客様の要望をサービスチームへフィードバックし AWS のサービス改善に繋げたりしています。クライアントワーク以外では、AWS の技術を世の中に広げる Thought Leadership 活動も SA の仕事の一つであり、公開ブログを書いたり、パブリックイベントの登壇も行ってきました。
また、SA としての仕事以外にも、ID & E( Inclusion, Diversity and Equity )推進の活動にも携わっています。エンジニア組織の多様性向上に向けて、これから進路を選択する中高生に対し Amazon / AWS でエンジニアとして働く楽しさを伝えています。これまで 5 回以上開催し、計 300 人以上に向けて講演をしてきました。彼ら・彼女らが最終的にエンジニアになるかはまた数年後の楽しみですが、少なくともセッションは毎回好評でたくさんの質問が寄せられます。
SA の仕事は難しい部分が多いことも否定できませんが、幸い私にとってはほとんどが楽しく進められるものでした。その大きな理由の一つは、一緒に働くお客様や同僚が皆素晴らしい人ばかりだということです。皆が同じようにお客様目線で物事を考え、切磋琢磨し合える環境だからこそ結果を出すことができ、成長もできるのだと思います。もちろん大変な時期もありましたが、チームで良い活動を継続した結果が評価され、入社から 4 年後にはシニアソリューションアーキテクト(シニア SA ) にプロモーション(昇格)することができました。
Amazon / AWSでは各ロールのレベルごとのガイドラインがしっかり整備されているので、キャリアアップを目指したゴール設定がしやすいことが特徴です。また、マネージャーともプロモーションについて会話をする機会が日常的にあり、個人的にはこのオープンな文化がとても好きです。
私の場合、マネージャーとプロモーションについての話を始めたのは、実際のプロモーションの 1 年ほど前からでした。まずは自分が成し遂げた成果 (contribution log)をまとめ、ガイドラインに沿ってできている部分とできていない部分を洗い出してみました。当時、現場レベルの動きは問題ないが、よりお客様の上層に対しても AWS の技術カウンターパートとして影響力を出したいよねというフィードバックを受けたのを覚えています。これを受けて、早速改善案を作ってアクションに移していきました。最終的にプロモーションすることができましたが、不十分な点もまだまだあるので、引き続きマネージャーと話しながら改善をしていきたいと思っています。
Amazon / AWSでは、「キャリアパスは自分で作るもの」という文化があるため、それこそ選択肢はたくさんあるのですが、SA 組織では、アソシエイト SA から SA、さらにそこからシニア SA を目指すのが一般的で、私も自然とその軌道に乗りました。日々 SA という仕事をこなすためにがむしゃらだったので、他のキャリアパスを考える余裕はなく、その延長線上で シニア SA になることをひたすら目指していました。
前述の通り、シニア SA になるまでは正直なところあまり考える余裕がありませんでした。プロモーションした後、少し落ち着いた時期があり、シニア SA の次のゴールを考えてみました。選択肢として挙がったのが以下の 5 つです。
- プレイヤーとして プリンシパル SA を目指す
- プレイヤーとしてスペシャリスト SA を目指す
- SA マネージャーを目指す
- 他のポジションに異動する
- 転職する
これらの選択肢から消去法で検討していった結果、3 の SA マネージャーを目指す、に辿り着きました。検討にあたっては、
- 仕事は今後何かしらのライフイベントが発生しても継続したい
- 良い機会やご縁があれば転職に対してもポジティブ
という二つが大前提でした。その中で各選択肢を見ていくと、1 のプリンシパル SA はプレイヤーとして仕事の質を上げる観点で意識はしたいが、今後転職する可能性を考えるとマネージャー経験がある方が市場価値が上がるのではと考えた 2 のスペシャリスト SA は、個人的に特定の技術を深掘りするよりも特定のお客様を支援し、長期的な関係を築くスタイルの方が自分の価値を発揮できると考えた 4 の異動については、今の所 SA の仕事やお客様との関わり方が好きなので検討しない 5 の転職は、今の所行きたい所がないので検討しないということで 3 の SA マネージャーを目指すことにしました。この考えをマネージャーと共有し、今すぐではありませんが長期的にマネージャー職を目指すために学ばなければいけないことを緩く話し始めています。
AWS の魅力については、数えきれないほどあるのですが、特に私が感じている 3 つについてお話しできればと思います。
1 つめは、OLP という行動指針が浸透しており、全員リーダーであり、裁量権が大きいことです。会社の理念や行動指針を持つこと自体は一般的ですが、Amazon / AWS のユニークなところは OLP がカルチャーそのものであるという点です。面接からパフォーマンス評価、日々の会話まで、「それは本当に Customer Obsession なのか?」 というように OLP が溶け込んでいます。OLP という共通言語が浸透しているため、意思決定、取捨選択、改善、フィードバックなど、すべての行動の基準となり、皆同じ価値観を持って仕事を進めることができます。加えて、全員がリーダーと言われているため、自身で考え行動することが求められており、自由でありつつ責任も伴うやりがいのある環境です。
2 つめは、多種多様なお客様がいるため、業界業種問わず様々な情報が入ってきて勉強になることです。AWS のお客様は公共、製造、流通、製薬、エンターテインメントなど、ほぼ全ての業種が対象なので、業界を問わず様々な情報が自然と入ってきます。例えばとあるサービスが特定の業種で流行り出した、その背景にはとある発表が影響しているなど、社会トレンドと IT の連動を観測することもあったりします。また、AWS には業種や技術ドメインに特化したエキスパートも揃っています。情報量が多いのは間違いないですが、様々な知見を蓄えることができます。
3つめは、成長できる環境が整っていることです。この点ですが、私は AWS で働く優秀な同僚がいるため学べる、加えてスピード感が求められるため素早く学べる、の二つの要素が成長の土台となっていると思います。
まず、AWS は B to B のビジネスであり、お客様の支援はチームとなって対応するので、同僚との協働が欠かせません。日々色々なロールの方とやり取りをするわけですが、様々なバックグラウンドの人がいるので、「こういう説明の仕方をするのか」、「こういう考えがあるのか」など常に新しいインサイトを得ることができます。また、フィードバックも積極的に行う文化があり、例えば自身が立案したプランをチームでレビューし意見交換を行う場をセットすると皆喜んで協力してくれます。レビュー中も、年齢や在籍年数関係なくお互い敬意を持ってアドバイスするため、ギクシャクすることもありません。
スピード感については、Amazon の Day 1 Culture という文化が大きく関係していると思います。Day 1 とは、常にお客様を第一に考え、長期的な目線でビジネスを捉えイノベーションを続けるという考えです。つまり会社が大きくなってもチャレンジや改善することを忘れないでいよう、常に初心に帰ろうということです。その一つとして意思決定を素早く行うことが必要不可欠で、実際 AWS では目まぐるしいスピードで物事が進みます。スピード感あるが故に活動の密度も高くなるため、早く成長できると思っています。