Yuri  さん ~ アソシエイト ソリューションアーキテクト

AWS には 2017 年に入社し、2019 年から産休・育休を経て、2021 年に復帰しました。現在はソリューションアーキテクト( SA )として、これから本格的に AWS を利用するお客様に対して技術的な支援をしています。プライベートでは 3 歳の娘がいます。
以前のキャリアとしては、新卒で外資 IT ベンダーに入社し、クレジットカードや航空系の基幹システム移行に携わりました。私は文系出身ですが、専攻していたゼミの教授が理系の方で、IT を活用した経営をテーマとして扱っていたので、その影響で IT 業界に興味を持ちました。
前職で5年ほどの経験を経て、新しいことに挑戦したいという思いが強くなり、転職活動を始めました。
AWS に興味を持ったのは、前職の先輩が AWS に転職されていて、飲み会に参加された時にすごく楽しそうだったからです。特に採用面接でかなりつっこんだ技術的なディスカッションをしたというお話を聞いて、面接だけでも受けてみたいと思いました。その時は具体的に転職を考えてはいなかったのですが、リクルーティングサイトで AWS の担当者から連絡を頂いて、あの先輩が行った会社だ!と思い記念受験のつもりで応募しました。

元々子供が欲しいという思いは強かったのですが、いざ妊娠すると色々と大変でした。特に大変だったのが悪阻です。妊娠中の体調は個人差が大きいですが、私はとても仕事ができる状態ではありませんでした。なんの前触れもなく突然長期で休職することになってしまいましたが、当時のマネージャーがすぐに業務を調整し、人事とも連携して必要な情報や対応方法を確認してくれました。ほとんど引き継ぎもできない状況でしたが、同僚は「引き継ぎは大丈夫なので、安心して休んでください」と言ってくれました。悪阻で休職している間に営業さんから「あの案件無事に Win しましたよ。回復してまた一緒に働けるのを待っています。」という連絡を頂き、周囲の気遣いにとても救われました。
また、1 年も休むことに不安や気まずさを感じていたのですが、OJT でお世話になった先輩方が、ご自身の経験から「1年でも全然足りないくらいだから気にせずお子さんとの時間を大切にして」、「僕も 1 年くらい休めばよかったと思ってるよ」と背中を押してくれ、全体への休職挨拶メールにも多くの方が子育てアドバイスを返信してくれたりと、温かい反応に安心しました。

時短勤務の間は業務時間を 10 時から 17 時にしていました。8 時頃に起きて 8 時半くらいから娘と公園に寄って保育園に行きます。この頃は娘が保育園に行きたがらず、少し遠くの公園に行きたいと言い出したり、やっと保育園についても教室に入るまでも時間がかかり、毎朝振り回されていました。なんとか娘を保育園に預けてから、スーパーで買い物して帰宅し、10 時前から働き始めます。仕事が終わったら 17 時過ぎから家事をして、18 時までに娘のお迎えです。娘は寝るのが遅く、23 時頃にやっと寝てくれるので、だいたい一緒に寝てしまっていました。21 時過ぎには寝る準備ができるので、娘と話したり遊んだりという時間は十分とれていたと思います。
業務内容は時短でも基本的に変わりませんが、10 時始業だと時間のかかるハンズオンなどを午前中に入れることが難しいので、午前中に社内の打ち合わせ、午後に数時間のハンズオンや、複数の顧客打ち合わせというケースが多かったです。また社内のトレーニングは朝一や夕方が多く出られないこともありますが、ほとんどの場合録画されているので、後で時間を見つけてキャッチアップすることができました。
調整が難しかったのは、パートナーとの打ち合わせです。パートナーはどうしてもエンドユーザとの打ち合わせ優先で日中の予定が埋まりがちで、夕方遅めの時間に打ち合わせを設定して欲しいと言われることも少なくありません。どうしても 17 時過ぎるような打ち合わせでは、技術的な内容を前半に持ってきて、それ以外は営業さんが対応することで私が途中で抜けられるようにしてくれていました。
日程調整はほとんどペアで活動する営業さんが行ってくれていたので頭が上がりません。

2 回目で色々と勝手が分かっているので安心というところはあります。
前回は産休・育休中に業務用の PC を返却することに不安がありました。子供が生まれてから申請が必要なことも多く、休職中に社内の規約や申請方法を確認できないことや、社内ツールで気軽に担当者とコミュニケーションできないことが不安でした。ですが、休職者など社内ツールにアクセスできない人向けに問い合わせ窓口があり、そこにメールすれば何でも答えて貰えました。社内にいると色々自分で確認して担当チームを調べたりしますが、窓口が一本化されていて必要なところに繋いでもらえるのでよっぽど便利でした(笑)。また、こちらから問い合わせなくても、申請が必要なタイミングでメールを頂くなどきちんと仕組み化されているなと感じています。
また、AWS のサービスは進化がとにかく速いので、新サービスや新機能について、社内の人のリアクションが見られないことや、すぐに自分で試せる環境がなくなってしまう事なども気になりました。ただ正直なところ育休中はそれどころではなく、杞憂だったなと思います。復職後すぐに他の人と同じように働けるように休職中も情報収集しなくてはと思っていましたが、復帰面談で中途転職者と同じように 3 ヶ月程度キャッチアップの期間を設けて徐々に現場復帰というプランを用意頂いていたので、拍子抜けしましたが、実際のところこの期間がなかったら厳しかったなと思います。次回も同じかは分かりませんが、本人の状況を考慮してくれるという点で安心感があります。
私は入社してから 3 回直属のマネージャーが変わっています。どなたもスマートでチームメンバーに寄り添ってくれる方で、困っていることを伝えればきちんと対応してくれます。一人ひとりの人柄ももちろんなのですが、各自の価値観や置かれている状況を尊重するという社風の影響も大きいと思うので、もしも復職時に組織が変わっていたとしても何とかなるだろうと思えます。

Amazon / AWS には、自分のキャリアにオーナーシップを持つという考え方があります。会社から異動を指示されるのではなく、各自が自分のなりたい姿に合わせてキャリアパスを設計し実現していくというものです。
こうしたキャリアパスを設計・実現する上で、周囲に相談してアドバイスをもらうことができる環境があると感じています。具体的には、マネージャーやメンターなどに、日々の仕事のことだけではなく、キャリアについても定期的に相談することができます。私の日頃の活動をよく知っている方々なので、長期的に何を意識して活動すべきかアドバイスいただけたり、今後取り組みたいことなど伝えると、社内でそのトピックに詳しい人やチームを紹介してもらえたりします。どの方もチャレンジを後押ししてくださるので、とてもありがたいです。
私自身の今後のキャリアパスについては、まだ具体的に決まっているわけではないですが、SA として少しずつ視野を広げながら経験を積んでいきたいと考えています。SA の仕事は、技術的な専門性を深め、お客様の業界に対する知識を広げることができますので、将来のキャリアパスの選択肢を広げるのに役立っていると感じています。