AWS Amplify を使用したアプリケーション開発で、MVP からユーザーベース拡大まで 1 年で 860% の成長を遂げた Busby

自転車による大事故で危うく命を落としかけた Barry Green 氏は、その後友人たちとともに、緊急事態の検出を自動化することを思いつきました。同氏らが開発したアウトドア活動用の安全アプリ「Busby」は、ユーザーの携帯電話に搭載されたセンサーを利用して転倒や衝突を検知し、救助ができそうな人に通知します。Green 氏とその友人たちは、フルタイムの仕事を続ける一方で、高品質のアプリケーションを迅速に開発する方法を必要としていました。そこでまずソフトウェア会社に協力を求めたところ、シードマネーの獲得に必要な実用最小限の製品 (MVP) を作るだけでも、最低 150,000 USD という見積を提示されました。MVP を自社で開発するには、シンプルでコスト効率の高いツールが必要でした。

英国を拠点とするこのスタートアップの 3 人の共同創設者は、何か月もの間アプリケーション開発ソリューションを模索した結果、Amazon Web Services (AWS) を使用して MVP を構築することを選びました。Busby の Chief Technology Officer and Cofounder である Kirk Ryan 氏は、「専任のデベロッパーがいないスタートアップでも非常に簡単に導入できる、優秀で新しいソリューションに出会えました」と述べています。そのソリューションが AWS Amplify でした。フロントエンドウェブおよびモバイルデベロッパーがスケーラブルなフルスタックアプリケーションを構築するのに役立つツールとサービスのセットです。これを利用して、Busby の創設者たちはわずか 3 か月でサーバーレス MVP をコスト効率の良い方法で構築し、その後アプリのユーザーを急速に増やしました。Busby は現在、同社ユーザーベースの大幅な拡大につながる他企業との戦略的パートナーシップに乗り出しています。

Busby の MVP を構築するにあたって、創業者たちは今後の成長にも十分に対応可能な MVP を構築できるよう、サーバーレスファーストのアプローチを採用することにしました。「スケールする能力を損なわず、理解しやすく、トラブルシューティングも簡単なソリューションであることが重要でした」と Ryan 氏は言います。AWS Amplify を使うと、フロントエンドコンポーネントからサーバーレスクラウドバックエンドまで、スタック全体を 1 人で管理できます。Busby の創設者たちは、フロントエンドフレームワークとして React Native を選択しました。そうすることで、iOS と Android を別々に処理しなくても、統一されたアーキテクチャを実現できます。AWS Amplify は、オープンソースのモバイルアプリケーションフレームワークである React Native の全機能をサポートしています。Ryan 氏は次のように説明しています。「スタートアップが iOS と Android でチームを分けることは望ましくありません。2 つの異なるスキルセットと 2 行のコードを維持することになり、基本的に 2 倍のオーバーヘッドが発生するからです」。

Ryan は、AWS Amplify を簡単に習得できる幅広いサービス (詳細なチュートリアルやドキュメント) を利用することで、Busby を迅速にスケールアップできることに気付きました。情報を AWS サイトで直接見つけられない場合でも、活発で反応が早い AWS Amplify コミュニティが Ryan 氏にリソースや情報を提供してくれました。

Busby の MVP は 3 か月で完成しました。AWS Amplify を使用することで、Busby のチームはソフトウェア会社を頼ることもなくなり、数か月分の開発時間と最大 150,000 USD を節約しました。フィットネス愛好家や乗馬愛好家などの消費者の間でアプリの人気が高まるにつれ、Busby にとって思いがけない商機が訪れました。モビリティ関連の企業が、Busby のサービスを自社のアプリケーションに組み込むことに関心を示したのです。このスタートアップは現在、電動スクーターのプロバイダー 2 社と企業間パートナーシップを結んでいます。自動車メーカーやデリバリーサービスとの取引も実現の兆しを見せており、短期間で数十万人の Busby ユーザーを新たに獲得する基盤が整いつつあります。2020 年 3 月から 12 月にかけて、Busby のユーザーは 860 パーセント増加しました。「AWS なら余裕です」と Ryan 氏は言います。「どんな状況にも対応できますから」。 Busby は AWS Lambda を使用して新規ユーザーの急増に対応できます。AWS Lambda は、スタートアップでもサーバーのプロビジョニングや管理をすることなくコードを実行できるサーバーレスのコンピューティングサービスです。

AWS Amplify の直感的操作性に優れたビジュアルユーザーインターフェイスにより、Busby は世界中のデベロッパーを迅速にオンボードできます。チームのエンジニアは 13 名に増え、2021 年中にさらに 7 名を増員する予定です。AWS Amplify Admin UI を使用すると、デベロッパーはフロントエンドとバックエンドのコンポーネントを非常に直感的かつ視覚的にデモンストレーションできます。Busby では事業の拡大に伴い、国境を越えた開発チームに新しいエンジニアを迎え入れています。AWS Amplify Admin UI を使用することで、Busby は開発、ステージング、本番の専用バックエンド環境でスムーズに業務を進めつつ、コンテキストをシンプルに伝えることができます。「AWS Amplify Admin UI が当社にとって重要である理由は、非常に視覚指向である点です」と Ryan 氏は言います。「物事がどのようにつながっているかをすぐに理解できるデベロッパーをオンボードできます。そうすれば、新しく加わったデベロッパーがコードに頼ったり、リバースエンジニアリングしたりする必要がなくなります。彼らにとって生産性に集中するのはとても簡単なことなのです」。

Busby は、パフォーマンスを向上させ、企業がより速くアプリケーションを構築することを可能にするフルマネージドな GraphQL サービスである AWS AppSync を用いて構築された GraphQL API も導入しました。Ryan 氏は、AWS で達成された高水準の GraphQL オブザーバビリティに満足しました。「当社では AWS Amplify で生産性が向上しています」と Ryan 氏は言います。「デベロッパーは簡単に機能の実装や管理ができます。GraphQL API はすぐに構築できるという点も、このソリューションを利用するメリットの 1 つです」。

Ryan 氏は、Busby のシステム全体の状況を簡単に視覚化して把握し、潜在的な障害発生領域を特定して、コンポーネント、ログストア、関連サービスを操作できると言います。「テクノロジーの面では理想的な環境です」。

AWS Amplify を使用することで、小規模な Busby のチームはわずか 3 か月で迅速かつコスト効率よく MVP を作成し、その後の指数関数的な成長に適応することができました。Busby は今後、消費者と直接つながり、より多くの企業間パートナーシップを通じて、ユーザーベースをさらに拡大することを計画しています。Busby はサーバーレスアプリケーションとして、テクノロジースタックを再構築することなく、数十万人の新規ユーザーを獲得し、信頼性とパフォーマンスを維持できます。「必要なものがすべて揃ったスタートアップ向けのソリューションはそう多くはありません。AWS Amplify は当社の MVP 構築に役立ち、当社とともに成長してきました」と Ryan 氏は言います。